オリジナル漆の器

オリジナル漆の器

名古屋、阪急、GNU CAMPと続いた中、イベントが少し落ち着いたので、次考えているプロダクトの経過報告を少し。

 

 

 

前にも何度か話している通り、活動をとおして

「漆が昔、日本の食卓に当たり前にあったように、今のキャンプシーンや食卓にも新しい形で戻ってくること」

を、夢みてます。

 

 

そのために必要なギア。

日本人の食卓には必ずあるもので、昔から使われてきた道具。

 

「お椀」

 

妻とすすめている「こども漆器」とはまた別のプロジェクトで、

今の時代に合った形で、表現したいと思っています。

 

漆の器のことを「漆器(シッキ)」と呼びます。 

漆の食器全般を指すので、HORNもその中一つ。

 

ククサ同様、いつかは作ってみたいと思っていたギアです。

 

 

キャンプのお椀といえば「シェラカップ」が不動の存在な訳ですが、

日本人として、そしてアウトドア漆ギアブランドとして、

お椀には挑戦したいと思っていました。

 

 

シェラカップはアウトドアでは一般的ですが、

あまり家で普段使いしている人はいないように思います。

 

 

そして、今世の中にある漆器といえば、

食卓では使えるけど、外に持ち出してキャンプ使いしたくなる器は少ないように思います。

 

 

だから、キャンプで使いたくなって

食卓でも日常使いできる器の制作に取り掛かってます。

 

 

今試作を3回ほど重ねて、

大まかな形はできつつある段階。

 

まだ細かいディティールに修正を加えながら、しっくりくる形を探ります。

 

 

プロダクトを作る時大切にしていることは、

デザインも大事だけど、機能性もしっかりと重要視しているところ。

 

 

HORNの容量を200mlまで目一杯大きくしたことや

泉の口の薄さにこだわったところなどをみてもらえばお分かりの通り、

機能性にもこだわった点は各プロダクト随所にあります。

(※普通のククサは130〜150mlくらいです。)

 

FEDECAさんのナイフも、

ナイフと柄の絶妙な角度が切りやすさを実現しているというところも

FEDECAチームの生み出す、機能美ですよね!

 

 

デザインがいくらよくても

機能性が低いギアは、長く愛用してもらえないし、次世代には残らない。

 

 

だから今回のお椀には

「高台(コウダイ)」をつけることにこだわっています。

 

 

(写真はイメージです。)

 

高台とは、お椀の底にある出っ張った部分のこと。

日本のお椀の歴史上、なぜ高台がずっとついているのかを考えました。

 

 

漆塗りの先生である、渡邊嘉久さんは、

「やっぱり日本のお椀に高台があるのには意味がある。

どんなオシャレな漆器を作っても、結局高台があった方が持ちやすいし、

何回も作っていくうちに原点回帰して、つけることになるね。

お椀は毎日使うものだし、持ちやすくないと使ってもらえない。」

 

長年、器を作り続けている渡邊さん。

高台のない器を作ったことは何度もあるが、

結局一周回って、従来の器の姿に戻ってくるそうです。

 

 

高台をつけると野暮ったくなるので、できればつけたくないというメーカーが多いですが、

そこを機能も重視しつつ、かっこよく、シンプルかつ、GNUの良さが出るように仕上げたいと思っています。

 

 

材質は使っていて重さ的に安定感が出る、欅(ケヤキ)一択。

 

 

親父の好きな材料でもあるし、

長浜仏壇でも多く使われる木。

扱いには慣れています。

 

僕が家で使っている漆器のほとんどが欅です。

 

 

欅は日本の木で、

漆器に多いのには理由はいくつかあるけど、

日本の気候で使う器は、日本で育った木が1番なのは言うまでもないと思います。

 

欅は硬くて目が荒いので、作業には四苦八苦する材料

 

 

彫刻は硬くて大変だし、

目止め処理(木目を漆で埋める工程)をしないと使い物にならないので、

工程も増えて、職人泣かせな材料ではあります😅

 

でもそこは一生涯使ってもらうモノに仕上げたいので、抜かりなく作業します。

 

 

今回のポイントを簡単にまとめると

 

・GNUらしい漆の良さを引き出すデザイン

・キャンプにも持ち出したくなるデザイン

・家で普段使いができること

・機能性へのこだわり→高台をつける

・材料は日本の木 欅(ケヤキ)を使う

 

こんなところ。

 

 

 

プロダクトの完成までに半年、一年かかるなんてザラなことです。

  

でも、次世代に受け継がれて、

末長く大切に使ってもらえるギアが出来上がれば

そんな時間なんてたいしたことない。

 

リリース前にこうやって途中経過を発信するのは、真似が横行している業界でもあるので勇気のいることですが、

そこは背水の陣。

真似できない「想い」の部分を全面に込めて作っているので、みなさんどうか期待してお待ちください。

 

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