ご飯茶碗をつくる理由

ご飯茶碗をつくる理由

こんにちは。

春までイベントをハイペースにこなしてきましたが、

実はこの夏は、あえてイベントの予定を組んでいません。

 

 

イベントの前は、2ヶ月以上作品制作にかかりっきりになるし、イベント後はワークショップの漆塗りで忙しくなるので、今は少し時間を作るためです。

 

 

と言っても、活動の手を緩めているわけではなく、裏では次考えていることの準備を進めつつ、ニュープロダクトの進行も欠かしていません。

 

夏あたりに、半年ぶりの漆ギアのオンライン販売も考えています。。

#拭渋漆刻は半年よりもっと経ったか...

 

 

そして時間をつくった理由のもう一つは、

「今一度GNUとカネイ中川仏壇のこれからを、言語化し、整理する時間」に費やしたいと思ったから。

 

 

GNUはカネイ中川仏壇の何なのか。

これから先の未来、どんな価値を生み出していくのか。

そして、今まで点と点だったことを繋げて、面にする作業。

 

あとは、僕は一体これからどんな方向に進んでいくのか。笑

 

 

そういったことに長けた専門のライターさんを交えて、毎月数回、ガチ会議を重ねまくっています。笑

#これ実はめちゃくちゃ体力使います

#会議後は山のような宿題

#言語化の鬼

 

 

この作業は、これからもっともっとみなさんに応援していただけるようなワクワクすることを進めていくために、必要不可欠なことだと思っていますし、

その応援を集めるには、もっともっと信念を深く持つべきだと思っています。

 

簡単に言うと、よく企業のHPをみると書いてある、理念とか、ミッションとか、ビジョンとか。

#もっと細かく言うとクレドとか言ったりします

 

 

 

 

それでは今回のURUSHI HACK 

本題は、前回に続き「漆のお椀」

 

進行状況はと言うと、、やっとやっと、形が確定!

漆の仕上げ方を試作する段階に入っています。

 

このペースで行くと、うまくいけば秋頃にはリリースできるかと。

 

 

 

では、まずは、「そもそも、なぜ僕が今回お椀を作ろうと思ったのか。」

そして、なぜ汁椀やおかず皿じゃなく、「ご飯茶碗」なのか。

 

それは、日本人にとって「ご飯茶碗」だけは昔から「特別な存在」だから

 

家庭の食卓で「自分専用の食器」はあったりしますか? 

僕の家では昔から、「家族兼用のお皿」と、「自分専用の器」がありました。

  

汁椀とおかず皿は家族兼用。

でも、「ご飯茶碗だけは、自分専用」

 

 

そして、その茶碗はなぜか愛着もものすごくあって、

10年選手のお碗になってくると、もはや「相棒」と化していることでしょう。

 

もうご飯は「これじゃないと嫌」となってしまっている方も、少なくないと思います。

 

そんな茶碗が割れてしまった時には、ショックでショックで。

 

でも、少しだけ、また一から育てる相棒を見つけに行くワクワクもあったり。笑

#陶器は金継ぎして直して使おう

#漆器は漆で直して使おう

 

 

年に数回行く程度の妻の実家にさえ、僕専用のお椀を用意してくれているくらい、

ご飯茶碗は日本の食卓にとって、「特別な存在」

 

今回のテーマは、そこ。

小さい頃から特別な存在であるお茶碗を、アウトドアを絡めてより特別に。

 

 

そんな日本の文化風習を、アウトドアに持ち込んでもおかしくはないし、

 

数ヶ月前から計画し、キャンプ場を抑え、友達と休みを合わせていく楽しみで仕方ない「キャンプ」に、

家で使っている「相棒」を連れて行くのは、ごくごく自然で、ワクワクするし、

豊かなことだと思います。

 

なんなら、お気に入りのキャンプギアも普段の食卓に使えたら、より愛着も湧くし、実用的。

 

 

こだわりの自分専用の器は、「時間をかけてつくられた漆の器」を使おうってなわけです。

 

 

でも不思議なことに、「漆器の業界」では、「汁椀」の方がメジャーで、

ご飯茶碗は二の次。

 

実は、「漆器といえば汁椀」が常識なんです!

 

器が売ってるコーナーにいくと、なぜかプラスチックでできた器も汁椀だけは「漆器風」で、内側が朱色になっていて外側は黒漆風なものが多いですよね。

 

そこで、今GNUのこれからを言語化している中で出てきた言葉。

 

「懐古主義にはしたくない。」

 

懐古主義っていうのは、過ぎ去った時代を懐かしみ、それを取り戻そうとすること。

 

もちろん昔あった姿は取り戻そうとはしているけど、

昔あったままの漆の姿を取り戻すのではなくて、今の時代に合った「新しい形の漆文化」をつくる。ということ。

 

この想いから、あえてご飯茶碗を漆器で!という選択をしました。

その方がやっていて面白いし、ワクワクする。 

 

ここで、もう一つ疑問が出ます。

「ご飯茶碗と汁椀って何が違うのか?」

 

簡単に言うと形。

 

これと言って決まりがあるわけではないので、どんな形でも、作者がご飯茶碗と言えばご飯茶碗で、

汁椀と言えば汁椀なのですが、

 

僕の解釈の中では、昔ながらの汁椀は比較的内側の形状がふっくらしていて、

ご飯茶碗は、まっすぐになっています。

 

こんな感じ。

#図面は内側の形状です

 

この形には昔ながらの知恵が詰まっていて、「お茶漬け」や「卵かけご飯」をするとよくわかります。

 

ご飯をかき込むとき、お箸が横から入りやすい形状なんです。

そして、お茶漬けがかき込みやすいライン。笑

口がほんの気持ちだけ返りになっているのがポイント。

これが、ご飯茶碗の隙のない完璧な形状です。

 

#諸説あります

 

こういう原理原則的なところは、先人に習って制作。笑

 

今は、漆でどんな仕上げにするかを決める段階で、

それが決まってくると、撮影、第一ロットの制作に入ります。

 

お気に入りのお椀を、是非漆器にして、

日々の生活を少しだけ豊かにしてみませんか。

 

読んでくださった方、DMなどにご意見ご感想いただけると喜びます。

#寂しがり屋です

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