HORNに続き大変反響をいただいている、クルーネックウルシスウェットについて。
このスエットが他と違う1番の要素は、プリント塗料に「漆」を使用しているということ。
これについては、イベントで開催している「ウルシルクスクリーン」から始まったプロダクトなので、まずはそのことから。ウルシルクスクリーンとは、衣類などのプリント塗料に漆を使って印刷する技術です。
「もしもいろんなものに、まだ世の中にない漆の表現ができたら。」
これを馬鹿みたいに真剣に考え、子供のようにワクワクしながら今日までやってきました。
そんな時、生まれた「ウルシルクスクリーン」のアイディア。
「漆×衣類」は、まだまだ日本でも例のない取り組みで、はじめてワークショップを開催したときには、ありがたいことにたくさんのメディア様(新聞各社、TV、ウェブメディア)に取り組みを取材していただきました。
先日eo光チャンネル「たけだバーベキューとキャンプな休日」にも出演させていただき、吉本芸人のたけだバーベキューさんにも体験いただいています。
まだまだ始まったばかりの取り組みですが、やっとやっと、、
1着の作品として、みなさんに自信を持って手に取っていただけるものが完成しました。
漆の新しい可能性を秘めた想いのこもった作品です。
ウルシルクスクリーン
昔からある"印伝"(いんでん)という、革に漆を施す技術にも似ていますが、
この取り組みの発想を得たのはテレビで特集されていた「和太鼓」
実は和太鼓に描かれている"三つ巴の紋"は漆で描かれています。
太鼓を練習し、鳴らせば鳴らすほどすり減っていく紋が、とにかくかっこよくて。
その頃から「ギアやウェアに漆でこんな紋書けないかな?」
と、日々妄想にふけっていました。
するとあるとき、友人から「シルクスクリーンのワークショップ」のお誘いが。
内容はトートバッグやTシャツに専用の塗料でプリントするというもの。
希望を持って挑んだワークショップ当日、勢いでTシャツに漆でシルクしたところ、まさかの大成功。
その日にinstagramの発信には、ワークショップ開催希望のDMがたくさん寄せられました。
今では沢山の素材に試し刷りの毎日。
徐々にわかってきたことが、刷れる素材と、刷れない素材があるということ。
木材はもちろん◎。布も基本◎。特に頒布は相性がいい。
ヘリノックスやカーミットの素材にも抜群でしたが、シュラフやポリエステルなテントはダメ。
撥水機能で漆が生地に染み込まず、定着しませんでした。
ノルディスクのようなコットン幕には大成功。
カーミットの裏や、机の天板に、「漆の効果五原則」を示したデザインや、ヘリノックスの裏に「ヌースケ」など、唯一無二の漆ギアに早替わりです。
正直、当初は漆をシルクスクリーンすることを発信することにためらいがありました。
ウルシルクスクリーンは、刷ったあとのシルクに多少、漆が残ってしまいます。
もちろん、ヘラで綺麗にとる事はしますが、どうしても無駄になってしまう漆があります。
これを業界の人たちはどう見るか。
かつて「漆がもったいない」と言われた過去が頭をよぎります。
でも、今では勢いで発信したことを良かったと思っています。
ウルシルクスクリーンのワークショップや、クルーネックウルシスウェットへのみなさんの反響から、そう思わせてもらっています。ありがとうございます。
仏壇などの漆塗りも、下地や中塗りの漆はほとんど砥石で研ぎ切ってしまいまうため、従来の漆塗りも半分以上は捨てていることに。
どちらにせよ、漆は一滴でも無駄にしてはいけないのには変わりありません。シルクに残った漆はできる限り綺麗にします。
、、と、こんな感じで始まった前代未聞なウルシルクスクリーン。
これからGNUの漆文化を広めるための挑戦の一つでもある要注目なコンテンツ!
プロダクトにも反映させるので、自分でもワクワクしています。
クルーネックウルシスウェット
そんなこんなで、新たなる挑戦ウルシルクスクリーンから始まり、
古来からある"漆"に、現代の"デザイン"を掛け合わせて誕生させたプロダクトとして「クルーネックウルシスウェット」のリリースが決まりました。
生地からこだわったので、時間がかかってしまいました。
冬が終わるまえになんとか。笑
本体の生地については、滋賀県米原にある黄色いFIATが目印のアパレルセレクトショップ
「isn't it design」さんにご協力いただいています。
芸能人もたくさん訪れている、店主田中さんこだわりの品をセレクトしている、コアなファンの多いショップさんです。
今回の裏地はパイル地で、暑すぎず寒すぎず。ビックシルエットで、中に重ね着で調整できて、秋口から春先まで着回せます。
素材はcotton100%を使用しています。
サイズはM・L・XLのスリーサイズ展開です。
使用しているウルシについて
「クルーネックウルシスウェット」のプリントは、イベントでやっているウルシルクスクリーンのように、漆のみでシルクスクリーンしているわけではありません。
漆を特殊な技術で発砲させて衣類に定着させています。
なので、見てもらうとわかりますが、漆が立体的に浮き出ています。
僕も完成した時の興奮を今でも覚えています。
施工は専門業者さんと共に行なっているので、漆のかぶれなどの心配ありません。
洗濯
そして、気になるのが洗濯について。
僕もいつも漆のついた作業着を家族の洗濯物と一緒に回していますが、
他の衣類に色移りしたこともなく、何なら作業着の漆の汚れが落ちたこともありません。笑
それくらい漆は強いのです。笑
写真はスエットを30回ほど洗濯したもの。
思わぬ結果に驚きました。
もちろん、漆のプリントが落ちる事なく、製品的にはクリア。
しかしまさかのプリントの表面が徐々にエイジングが。。
漆の艶が残りつつもシワができていて、めちゃくちゃ渋い加工になってます。。。
これは予想外。。偶然の産物でした!
ここから、数年後、どんなエイジングになっていくのか。
皆さんも一緒に育ててやってください。
"衣類にも漆をデザイン"していく時代の第一歩が、今回のプロダクト。
「クルーネックウルシスウェット」です。
限定数で販売予定ですので、Instagram要チェックでお願いします。
1件のコメント
今までシルクスクリーンは敬遠していましたが、GNU campでヌリノックスにしてからハマりそうです!😝
アレにもコレにも刷りスリしたい!🤤👍