IZUMI WORK SHOP

  • 2022年7月17日(日)に、長浜市にあるAZAI
    FACTORYの公開イベントとして『長濱浪漫ビール』さんのイベント・長濱フェスに漆塗り体験のワークショップが開催されました。

     

    今までに何度かワークショップを行ってきた『GNU』中川さんにとっても、コラボは初めての試み。

     

    漆ファンにはウイスキーの良さを。

    ウイスキーファンには漆の良さを知ってほしいという想いで、ワークショップ当日を迎えられました。

  • 旧小学校をそのまま活かしたAZAIFACTORYでのイベント__

    ワークショップは『長濱浪漫ビール』さんのウイスキー熟成庫、旧七尾小学校で行われました。

     

    2018年3月31日で閉校になってしまった学校を、懐かしさの残る雰囲気を活かしたまま、新しい姿へと生まれ変わらせたのだそう。

     

    長濱フェスに参加された方々は、“学校なのにウイスキーの樽が並んでいる”という不思議な気持ちを抱き、これから行われるイベントに胸を躍らせたことでしょう。

     

    GNUはそこで、〈泉-izumi-〉を使ったワークショップを開催。

     

    プロダクト化に約半年、飲み口の厚さが1mmとガラスよりも薄くなるようにこだわって作られたウイスキーカップにやすりで磨きを施し、自身で漆を塗るという貴重な体験。

     

    難しい行程をいとも簡単に行うGNU・中川さんに目を奪われながらも、綺麗に仕上がるようにと丁寧に漆を塗る参加者さんたちは、つややかに光る漆以上に輝いて見えました。

     

    体験できたのは一度塗りのみですが、その後しっかりと彼の手で何度も重ね塗りが行われ、よりつやつやにさせた状態で当日に参加した方々の元へと届けられるのだそう。

     

    体験後のワークショップ会場では、届くのを心待ちにしている方々の笑顔であふれていました。

  • 生まれ育った長浜の地で恩返しがしたい__

    ウイスキーカップを作るに至ったきっかけは、GNUのブログを見た長濱浪漫ビールの社長さんが「地元で一緒にコラボしせんか?」とお声がけくださったのが始まりなのだそう。

     

    GNUは、一人でも多くの方に漆のことを知ってほしい。

    長濱浪漫ビールさんは、一人でも多くの方にウイスキーのことを知ってほしい。

    当日は、そういった思いがたくさん詰まった長濱フェスとなっていました。

     

    また、漆のこと、ウイスキーのことをと思う以上に、お互いが共通して考えていたことは「長浜の魅力を知ってもらいたい」という熱い想いでした。

     

    生まれ育った長浜の地で商いをさせていただいている身として、地元に恩返しがしたい。

     

    そこから〈泉-izumi-〉が誕生し、今回のコラボに至ったのだそうです。

     

    〈泉-izumi-〉のストーリーはこちら

  • 参加者に喜んでもらうことが全ての原動力に__

    〈泉‐izumi-〉のワークショップは全3部制。

     

    事前に予約をしていただいての参加となりましたが、予約はすべて埋まり、当日は大盛況。

     

    イベント中、飛び込みで体験をしたいと申し出てくださる方もいたそうで、興味を持っていただけて本当にありがたいと、中川さんは嬉しさをこぼされていました。

     

    東京や石川、京都、兵庫などの遠方から参加してくださるリピーターさんも多く、中には「3度目です!」と言ってくださる方もいたのだそう。

     

    「こんな体験をさせていただいてありがとうこざいます」と感想をもらえる場面もあったのだと教えていただきました。

     

    また、今回は漆をあまり知らない参加者の方々により多くの魅力を知ってもらおうと内容をボリュームアップ。

     

    当日は初めての方も過去のワークショップに参加してくださっていた方も、目をキラキラさせながら真剣に耳を傾けておられました。

     

    「どうすれば参加者さんに喜んでもらえるか試行錯誤したワークショップだったので、笑顔がたくさん見られて本当によかったと思っています」と、ワークショップ終了後に胸を撫でおろす中川さん。

  • 親子の絆を、家族が繋がれる場をこれからも提供したい__

    ワークショップを体験してくださった方の中に、ある親子(父と息子さん)がいました。

     

    中川さんのいわく、息子さんの方はキャンパーでいつもInstagramを見てくださっているのだそう。

     

    お父さんの方は当日、ワークショップのことを詳しく知らないまま来られた様子で、体験中はあまり言葉を交わすことなく黙々と漆を塗られていました。

     

    ですが、向かい合って作業をされている姿は見ていてとても微笑ましく、最後にはとても笑顔で嬉しそうにされていたのが印象深かったです。

     

    また、ワークショップ終了後にInstagramのDMをくれた息子さんからは、「帰りのバスでお父さんから『今度キャンプに連れてってくれ』と言ってもらえた」と嬉しい報告もいただいたとのこと。

     

    どうすれば喜んでもらえるかをたくさん考えて挑まれたワークショップだったので、中川さんは「親子の、家族のコミュニケーションの場としてワークショップを設けてよかった」と心から嬉しそうにされていました。

     

    家族が繋がれる場を、これからも漆を通じて提供したいと思い何かに突き動かされるように行動する彼の姿は、今後も多くの方々をとりまき、虜にしていくことでしょう。

     

  • web writer 大野 千春